2015年 6月
平成27年第2回定例会一般質問 議事録
◆5番(白川哲也) それでは、通告に基づき一般質問を行います。
まず産業振興についてであります。
町田市の産業振興という点については、産業振興基本条例が制定されており、新・産業振興計画が策定されております。そういう意味では町田市はしっかりと産業振興に力を入れていると言ってもいいのですが、ただ、その中で幾つか疑問点がありましたので今回質問させていただきます。
壇上においては、町田市の現在の産業振興のあり方についてどう捉えているかを質問いたします。
(1)現状と課題は何か。
また、昨年、新・産業振興計画が策定され、ちょうど策定から1年が経過、その1年間の評価を今している真っ最中かと思います。これまでは産業振興通信簿という形でその評価を行っていたかと思いますが、今後の評価手法はどのようなものでしょうか。例えばこの間事業別財務諸表、行政評価シートなどができておりますので、そういった活用、連携などは含まれるのかどうか、そういった点も確認したいと思います。
(2)新・産業振興計画における事業評価手法の考え方は。
次に、教科書の採択についてです。
ことしは中学校の教科書採択の年に当たります。この教科書採択につきましては、今、後方にいらっしゃいますが、我が会派の大西議員がずっと取り組んできた課題でございます。その思いというものもくみしながら今回質問したいと思います。
問題点として、例えば学校から上がる調査報告書についての不備などの指摘などがございました。壇上においては、現在の教科書採択の流れと課題についてを確認したいと思います。
(1)現状と課題は何か。
以上、壇上よりの質問といたします。
○副議長(大西宣也) 市長 石阪丈一君。
〔市長石阪丈一登壇〕
◎市長(石阪丈一) 白川議員のご質問につきましては、教育委員会及び担当からお答えを申し上げます。
○副議長(大西宣也) 教育長 坂本修一君。
〔教育長坂本修一登壇〕
◎教育長(坂本修一) 私からは、項目1の教科書の採択について、現状と課題は何かについてお答えをいたします。
初めに、現状でございますが、教科書採択の流れについて初めにご説明いたします。
今年度の中学校教科書採択は、町田市の2016年度使用中学校教科用図書採択方針と町田市立小中学校教科用図書採択要綱にのっとり、公正かつ適正に採択を進めてまいります。具体的には、教育委員会が町田市立中学校教科用図書調査協議会を設置し、この調査協議会は、教科ごとの専門的な調査機関である調査研究委員会による調査と各学校における調査、教科書展示会における市民からの意見、この3つを検討、協議して報告書を作成し、教育委員会に提出をいたします。教育委員会は、調査協議会が作成した報告書を参考にして、町田市の生徒に最も適した教科書を採択してまいります。
次に、課題でございますが、4年前に実施されました中学校教科書採択におきましては、各学校が調査研究を行い、調査報告書を作成する際に、報告書に学校名が記載されていない、誤字、脱字がある、各社の違いが読み取れないような横並びの記載があるなどのご指摘を大西議員からいただきました。これらのご指摘につきましては、各学校で十分な調査を実施し、各社の違いが具体的に読み取れる記述を行うよう改めて指示を徹底し、改善を図っております。
以上でございます。
○副議長(大西宣也) 経済観光部長 笠原道弘君。
◎経済観光部長(笠原道弘) 項目1の産業振興についてにお答えいたします。
1点目の現状と課題は何かについてでございますが、国内の景気の状況は、リーマンショックによる一時的な落ち込みからは緩やかな回復基調が続いております。しかし、先行きにつきましては、物価上昇への懸念等が見られることにより、回復には勢いがありません。町田市においても、2012年に実施した経済センサス活動調査では、小売業の売り上げ額は東京圏の中ではやや高い水準に位置していますが、2007年商業統計の年間商品販売額と比較しますと減少しており、課題であると考えております。
これらの現状と課題や社会情勢の変化を見据えた中で、2014年度から2018年度までを計画期間とする町田市新・産業振興計画を着実に推進していくことが重要であると認識しております。
次に、2点目の新・産業振興計画における事業評価手法の考え方はについてでございますが、現在、計画の初年度に当たる2014年度分の各施策の進捗状況を確認するため、庁内の事業部門や町田商工会議所、町田新産業創造センターなど、各実施主体に調査票を送付し、その回収を終えたところでございます。今後、調査票の内容を取りまとめ、各実施主体にヒアリングを行ってまいります。
事業評価の手法につきましては、これらの結果を踏まえ、新公会計制度において作成いたしました行政評価シート等の活用も含め、取り入れられるものは積極的に活用していくよう研究してまいります。
以上です。
○副議長(大西宣也) 5番 白川哲也議員。
◆5番(白川哲也) ただいまご答弁いただきましたので、自席より再質問いたします。
まずは産業振興についてですけれども、今回質問したそもそもの趣旨というのは、産業振興というのが、本当は大きな視点で見ていかなくてはいけないんですけれども、その視点が市としてちょっと薄いんじゃないかな、そういう思いで質問しています。
なぜそういうふうに思うかといいますと、この新・産業振興計画は、それぞれの個別の事業はそれぞれ書いてあるんですけれども、なぜその事業を行うかという目標についてが書かれていないんです。厳密に言えば2つだけ書いてあるんですけれども、その書かれている目標が有効求人倍率と納税義務者数のみなんですね。確かにこの目標というのは大切かもしれないんですけれども、しかし、例えば企業であれば、売り上げが今8,000万円ですと、その企業が5年後1億にしようという目標を持って、そのためにこういう事業を行うというのが通常流れかと思うんですけれども、そういう意味でのそもそもの目標が見えないなということを感じております。
ただ、この点、新・産業振興計画の上位計画に当たる未来づくりプランには定められておりまして、商業の年間販売額が8,097億円以上であるだとか、工業製品出荷額が769億円以上であるとか、こういう目標は定められているんです。これが2012年に定められた未来づくりプランですが、この数値の進捗管理がそもそもどこで行われているのかということを確認しようとしたんですね。年間の販売額の推移がどうなっていくのかを調べたんですが、なかなか出てこなかったということがございます。まずはこの数値をどこで管理しているかということをお伺いしたいと思います。
○副議長(大西宣也) 経済観光部長 笠原道弘君。
◎経済観光部長(笠原道弘) 国が実施する経済センサス調査ですとか商業統計調査の結果で進捗管理を行っております。まちだ未来づくりプランでは、2007年の商業統計調査の商業の年間商品販売額8,096億6,000万円、これを基準として、目標はこの数値より上昇という設定をさせていただいております。
最新の数値は、この商業統計調査にかわって行われている経済センサス調査、この動向を確認してございます。2012年に実施した調査では、年間商品販売額が5,330億7,900万円というふうに減少しております。これは多摩地域の他の市町村においても同様な傾向にあります。次回の数値は2014年の経済センサスの速報集計、これがことし、2015年の6月に、それから2015年の11月以降に確定集計が順次公表される予定となっております。
以上です。
○副議長(大西宣也) 5番 白川哲也議員。
◆5番(白川哲也) ただいま経済センサス、また商業統計調査による進捗管理ということをいただきました。ただ、この経済センサスであり、商業統計調査というのは、今お話があったように数年に1度しか出ないという調査なんですね。この商業年間販売額8,097億円以上という目標ですが、この数値は、今おっしゃられたように2007年の数値なんですね。未来づくりプランが2012年に定められておりますけれども、では、なぜ2007年の数値をもとにしているかというと、この段階で5年に1度しか発表がなかったということなんです。実際に2012年の段階では年間販売額が5,799億というぐらいに2,000億円以上下落しているというような状況の中で、ただ、今回この8,097億以上ということを設定しているということであるわけなんですけれども、こういう数年ごとにしか出ない数値の管理というと、この未来づくりプラン10年たったところで、ちょこっと、結局達成できませんでしたみたいな数値が出てきて、それで集計されてしまうというのはこっちは怖いと思っているんですね。これは結構大事な数値なので、やはり年次年次の管理ということをしていかなくちゃいけないと思うんですけれども、そういう年次管理についての考え方はいかがでしょうか。
○副議長(大西宣也) 経済観光部長 笠原道弘君。
◎経済観光部長(笠原道弘) 確かに経済センサスの関係については調査は5年ごとということで、私どもといたしましては、この国が実施する経済センサスの結果を活用していきたいというふうに考えております。ですから、市で独自の調査を行うとか、そういったことについては今のところ考えてはございません。
○副議長(大西宣也) 5番 白川哲也議員。
◆5番(白川哲也) でも、結局は年間では管理ができないということですよね。産業を毎年毎年振興させていくという状況の中で、そういう年間年間の経済のボリュームがわかるような指標を持ちながら、それをふやしていくということを考えながら事業を実施していくという流れがないと、今の新・産業振興計画が何かちょっと薄いなと思うのは、そこの部分がなかなか見えてこないというのが私自身は思っているわけです。
その中で今言ったような商業の年間販売額だとか、そういったものは数年に1回しか出ないという不利な点があって、それで市で独自で何も調査はしないということなので。であるならば、例えば1つの指標として、私は法人市民税の推移を追っていくのがいいんじゃないかなということは思っています。この2007年からの推移を見ていくと、2007年が43億、2008年が38億、2009年28億、2010年35億、2011年33億、2012年36億、2013年36億という形で、数値はこっちも簡単に調べられるような形になるわけです。
商業販売額の割合とは違うわけなんですけれども、2007年が43億円、2012年が36億円、そのボリューム感で言ったらある程度の把握はできるのではないかということは考えておりますが、そういった意味である種指標としてこういう法人市民税額の目標管理というのはいかがでしょうか。
○副議長(大西宣也) 経済観光部長 笠原道弘君。
◎経済観光部長(笠原道弘) 今おっしゃられた法人市民税の関係ですけれども、こういった方法についても指標として最適かどうかというのは研究していく必要があろうかとは思っています。ただ、法人市民税ですので、先ほど言われた商品販売額以外の工業関係ですとかほかの分野も入っておりますので、その辺は研究していかなければいけないと思っているのが1つと、それから法人市民税については、営業利益と営業外利益、その辺も含めて営業外利益のほうも入っておりますので、本業以外の活動もここには付与されているというふうに考えると、この法人市民税の実態がどうかなというのは1つあると思います。
そういった意味も含めて、法人市民税についても、企業業績の推移を把握することについて、非常に難しいとは思いますが、研究していく必要もあるかなというふうには思っています。
○副議長(大西宣也) 5番 白川哲也議員。
◆5番(白川哲也) 今、部長がおっしゃられたとおり、本業外の所得が増加することも考えられますし、また、税制改正などによって指標がずれてしまう、そういう問題点もあるんですが、ただ、今言ったような形で、毎年何かしらで管理できる仕組みというのがどうしても必要だと思うんです。だから、それを市が毎回毎回やっていただければいいんですけれども、そういう仕組みがない中で今考えられるものがそうなんじゃないかなということをこちらは思うわけです。例えば事業所がふえれば、それは税収、赤字企業でも税金はある程度払わなくちゃいけないので、そういう税収はふえますし、当然利益が上がってくれば、税金が上がってくるというので、指標の1つとしては、そういう意味では目標設定、管理する仕組みとしては私自身はいいのかなと思っております。また、この指標であれば、他との比較ができるということも考えられます。
先ほど町田市が2013年度で法人市民税が36億円と言いましたけれども、個人市民税は298億円ありました。片や例えば厚木市を見ていると、個人市民税144億、町田市の半分程度なんですけれども、法人市民税は42億円で、町田市の倍以上あります。これは法人市民税の割合がかなり大きく占めているということは考えられます。これは厚木市は工業団地もありますし、町田市と質が違うといえばそれまでなんですけれども、ただ、こういったことを克服するため、例えば町田市では市内での創業、起業をふやしていこうという考えがあったりするわけですよね。
そういう観点を見たときに、例えばこの新・産業振興計画の中に起業、創業支援という事業がありまして、その事業目標を見てみると、新産業創造センターの2階の入居率を85%、セミナー回数2回と書いてあるんですけれども、それも当然大事なんですが、それよりも何よりも、まずそのもととなるのは起業件数をふやしていかなくちゃいけないよねという考え方が当然あるわけなんですが、当然未来づくりプランにはこれが261件以上という目標が書かれているんですが、そのもととなるデータの今言った進捗管理も見えないんですね。
ですから、こういったところの毎年毎年、やはりこういうことをやっているので、今年度は何件でした、今年度は何件でしたという進捗管理もしてほしいと思っているんですけれども、そういう事業のもととなるデータの管理の必要性、私自身は必要であると考えますが、いかがでしょうか。
○副議長(大西宣也) 経済観光部長 笠原道弘君。
◎経済観光部長(笠原道弘) 町田市では創業支援計画を策定いたしまして、年間の創業に関する相談件数400件、それから創業数は80件という形で掲げてございます。
この創業支援計画に基づいて町田新産業創造センター及び町田商工会議所が実施する特定創業支援事業、これによって起業に至った件数の把握をしております。実際には2014年度の起業数は13件、内訳ですけれども、町田新産業創造センターで7件、町田商工会議所の相談で6件という形になっております。また、町田市全体の起業件数については、5年に1回、国による調査において確認をしております。国の調査では、調査時点における起業者の件数の総計が公表されておりまして、起業者の増減数の内訳、それから各起業者が起業した時期は、これは含まれておりませんけれども、町田市で把握しているデータと単純比較することはできませんが、各種データを活用して目標の設定を検討していきたいというふうに考えております。
○副議長(大西宣也) 5番 白川哲也議員。
◆5番(白川哲也) 今、起業、町田市全体のが5年に1度ということなんですけれども、本当にそこの管理ができないのかどうかというところを見ていただきたいんです。私はそこまで知識がないんですが、例えば会社をつくったときに、税理士さんからどんどんさまざまな書類が来たんですけれども、それは多分登記簿を閲覧できるからだと思うんですね。
だから、どういう形になるかわからないですが、法務局へ行ったら、例えば件数も今300件もないような状況の中で本当にそういうのが確認できないのか、そういったところも研究してもらって、今申し上げましたとおり、年々町田市はどうなっているのか。今の話だと、5年に1度、261件が240件になりました。またさらに5年後に300件になりましたということで、そこをどうやって進捗管理して分析していくのかというところが、それだとなかなかしづらいのではないかなというふうに思うので、そういったところも含めてしっかりと管理していただきたい。そしていろいろと調べていただければというふうに思います。
今度は通信簿のほうに話を移りたいと思うんですけれども、この産業振興通信簿ということで、名称は変更なのかよくわからないんですけれども、前回の産業振興計画に基づいているのでそれはわからないんですけれども、できれば、話の中で、新・産業振興計画は既に制定されていますので、その進捗管理に焦点を当てたときには、今言った通信簿、名称は変更になるかもしれません。そちらでできれば進捗管理はしてほしいなということを私自身は思っています。
先ほど申し上げました商業の販売額なんかも、出るタイミング出るタイミングでしっかりとそこは把握してほしいと思いますし、先ほど言った起業件数だとか、そういったところも書いていただきたいと思いますし、できれば先ほど言った法人市民税なんかも、そういう推移なんかも載せていただければいいなというふうに思っております。
とにかく今の目標も現状もわからないという状況は避けてほしいんですね。だから、しっかりと目標も見える、現状も見える、だからどうする、その流れが見えるような形で管理してほしいという意味で今この産業振興通信簿、こういったものでの管理はできないのかどうか、その点はいかがでしょうか。
○副議長(大西宣也) 経済観光部長 笠原道弘君。
◎経済観光部長(笠原道弘) 先ほどご答弁させていただいたとおり、現在2014年度の各施策の進捗状況を確認するための作業を進めているところでございます。これから事業評価の手法を固めていくところでございますが、議員からいろいろご提案いただいた点も含めて、より適切な事業評価、進捗管理を行えるように研究してまいりたいというふうに思います。
○副議長(大西宣也) 5番 白川哲也議員。
◆5番(白川哲也) わかりました。今いろいろと申し上げましたけれども、私の思いとしては、もっともっと各産業を盛り上げてほしい、こういうことに尽きるわけであります。今定例会でもたびたび取り上げられている未来づくり研究所で出している「まちだニューパラダイム2030年に向けた町田の転換」には、町田市の年間商品販売額が8位から9位に転落したということが書かれています。そういう状況があって、では、そのためにはこういう目標を定めて、こういうふうに実現していくんだということをぜひとも示してほしいと私自身は思っております。
私自身の意見をつらつら述べましたけれども、この項目の最後に、産業振興についての考え方を市長に伺いたいと思いますが、いかがでしょうか。
○副議長(大西宣也) 市長 石阪丈一君。
〔市長石阪丈一登壇〕
◎市長(石阪丈一) 産業振興のベースになる市内の産業動向というんでしょうか、売り上げを含めて、どうつかまえていくかということが非常に大事なんですけれども、実際にそれぞれのデータを使って毎月の資金の投入だとか、あるいは賃貸物件の契約だとか、そういったことを日々市役所は余りやっていないわけです。もちろん銀行を初めとしてそれぞれのところは毎月の消費動向というのを、あるいは投資動向、さらには地価、賃貸料、いろんなデータを集めて日々の経済活動に使っているわけです。そういう事業主体、産業界からすると、市役所ってそんなものは知らないね、こうなるんですが、実際のところ、毎月、今月は100億とか、来月は50億とかという投資をしているわけではありませんので、そのニーズがもともとないというところが一番ポイントなんだと思うんですね。おのれのところがわからない、あるいは敵ではないんですが、相手方のところがわからない。何となく税収が減っているなとかという、まだそのパターンなんですね。
もう1つ理由がありまして、これは政策手段というものをたくさん持っていないんですね。金利をどうするかとか、市内の例えばこの辺に100ヘクタールなら100ヘクタールの工業用地をつくろうとか、そういう政策手段というのは経済関係はほとんどないわけです。
そういう意味でやれることに限りがあるということ、もちろん新産業創造センターだとかいろいろやっていますけれども、それは限りがあるということで、なかなかそのデータを集めて分析をして次に使おうというところまでいっていないというところだと思います。
ただし、今のは全部言いわけでありまして、ご指摘のとおり、経済動向というのを少なくとも1年ごとにどういうふうにつかまえていくかということは、先ほど部長から言いましたが、それぞれの事業の評価の前に経済の動向をわかっているというところが一番大事なので、それについては少し全庁的な力を合わせて分析ができるようにしてまいりたいというふうに思います。
○副議長(大西宣也) 5番 白川哲也議員。
◆5番(白川哲也) ただいま市長から本当に力強い答弁をいただきました。ぜひとも未来を見据えた産業振興をよろしくお願いいたします。これでこの項目については以上といたします。
続きまして、教科書の採択について再質問をいたします。
先ほどの答弁で学校の調査報告書の改善がなされているというようなお話がございました。4年前の学校調査におきましては、その報告書に、例えば特になし、特になし、特になし、よい、よい、よいだとか、空欄などが散見されたというような事実がございました。また、これは歴史、公民の調査報告書になりますけれども、特定の思想、考えから一部の教科書を排除しようというようなことも見受けられたということがございました。今年度については、今まさに調査報告している真っ最中だとは思うんですけれども、これらの課題について具体的にどのようなチェック体制を確立しているのでしょうか。
○副議長(大西宣也) 教育長 坂本修一君。
〔教育長坂本修一登壇〕
◎教育長(坂本修一) ご指摘を受けております学校調査の報告書に関するチェック体制でございますが、これは学校から調査協議会へ提出する前に、一旦教育委員会事務局が内容を確認しまして、空欄や誤字、脱字がないか、具体的な記載がされているか、適切に報告書が作成されているかという点についてチェックをして、それで問題がある、課題がある場合にはもう1度学校に再調査を依頼するということにいたしております。その上で7月に2回にわたって開催される教科用図書調査協議会におきましても、その内容等について確認をいたしまして、最終的に教育委員会に提出される、そういう体制を整えております。
以上です。
○副議長(大西宣也) 5番 白川哲也議員。
◆5番(白川哲也) チェック体制が確立されたことにつきましては確認いたしました。
次に、その選定基準について伺いたいと思います。市民意見については意見として判断するわけでありますけれども、各学校における調査、調査研究委員会における調査、また、それに基づいた調査協議会の検討がそれぞれしっかりと客観性が担保されているのか、また、学習指導要領に準拠して選定されているのか、その点について確認したいと思います。
○副議長(大西宣也) 教育長 坂本修一君。
〔教育長坂本修一登壇〕
◎教育長(坂本修一) 選定の基準ということにつきましては、中身は、内容、構成・分量、表記・表現、使用上の便宜、この4項目を定めております。具体的に申し上げますと、例えば内容としては、生徒の学習意欲や関心を引き出す配慮があるか、構成・分量としては、基礎的・基本的な内容と発展的な内容がわかりやすく構成されているか、表記・表現としては、印刷、写真、挿絵、図形等が見やすくわかりやすいか、使用上の便宜としては、課題発見、課題解決に向けた学習が効果的に進められるようになっているかというような観点を定めた基準でございます。これらの基準で行われる調査協議会の報告等を参考に各教育委員はみずからの責任と権限で町田市の生徒に最も適した教科書を採択してまいります。
○副議長(大西宣也) 5番 白川哲也議員。
◆5番(白川哲也) ある程度の客観性が担保されているということで確認いたしました。
次に、スケジュールについて確認させていただきたいと思います。まず、5年前の小学校の教科書採択の際に、教育委員会定例会で調査協議会から報告を受けて、すぐに採択を行ったということがありました。これは報告を受けてすぐに採択なので、報告を加味する時間もなく採択するのではおかしいのではないかという指摘を受けて、4年前の中学校教科書採択の際にはある程度余裕を持ったスケジュールに変更したと思いますけれども、今年度についてはどのように対応されるのでしょうか。
○副議長(大西宣也) 教育長 坂本修一君。
〔教育長坂本修一登壇〕
◎教育長(坂本修一) 5年前の小学校の教科書採択におきましては確かにご指摘のようなスケジュールで採択を行っておりました。そこで、4年前の中学校の教科書採択からは、教育委員会の定例会で調査協議会からの報告を受けた後、各教育委員が調査協議会の報告を参考に改めて自宅に配送されている教科書の見本本を使って調査研究ができるように一定の期間を設けてから採択を行っております。今年度も同様に、8月7日の教育委員会定例会におきまして調査協議会からの報告を受けて、8月17日の教育委員会の臨時会で採択審議を行うという予定になっております。
○副議長(大西宣也) 5番 白川哲也議員。
◆5番(白川哲也) スケジュールについてもしっかりと変更されている点について確認いたしました。
次に、文部科学省からの通知についての対応を伺います。平成24年9月に教科書採択の改善についてということで、調査研究のための資料の充実、効果的な教科書展示会の開催など5項目通知されています。また、今年度4月には平成28年度使用教科書の採択についてという通知がありまして、教科書採択の公平確保についてなど通知されているかと思います。この通知に対して町田市教育委員会ではどのように対応していくおつもりでしょうか。
○副議長(大西宣也) 教育長 坂本修一君。
〔教育長坂本修一登壇〕
◎教育長(坂本修一) ご指摘の通知文というのは平成27年の4月7日付で文部科学省から出されております。その通知には、採択教科書の決定に当たっては、教職員の投票によって決定されるようなことはもとより、十分な審議や調査研究を経ずにこれまでの慣例のみによって決定されるなどにより、採択権者の責任が不明確になることがないよう採択手続の適正化に努めること、また、教育委員会の教育長及び委員が十分な時間的余裕を持って教科書見本を閲覧し、その内容について適宜吟味することができるような環境を整えることなどが示されております。
町田市におきましては、これまでも教職員による投票ですとか順位づけなどは行っておらず、各教科ごとの調査研究と各学校ごとの調査研究が十分に行われるように進めております。また、各教育委員が静ひつな環境で調査研究できるように、それぞれの自宅に全ての見本本を配送いたしまして調査研究を行っております。
このように、町田市におきましては、今回の文部科学省の通知文に示された内容のとおりに既に実施しているところでございます。
○副議長(大西宣也) 5番 白川哲也議員。
◆5番(白川哲也) 既に実施済みということで確認いたしました。
少し視点を変えたいと思います。埼玉県では、教科書を数値化して比較するということを行っております。これは、教科書に点数をつけるということではありませんで、資料や写真を何点使っているかなどを数値化することによってわかりやすい判断指標の1つとすることということでございます。町田市においてはこういう数値化のように採択に当たって工夫があるかどうか、この点を確認したいと思います。
○副議長(大西宣也) 教育長 坂本修一君。
〔教育長坂本修一登壇〕
◎教育長(坂本修一) 教科書採択に当たっての調査結果の数値化のご質問でございますが、東京都におきましても、この教科書採択に際しては、東京都教育委員会が教科書調査研究資料という冊子を作成しております。その中で、例えば歴史の教科書において、それぞれの教科書が取り上げている歴史上の人物の数ですとか、現在に伝わる文化遺産の数などの一覧がございます。あるいはその具体的内容などが数値化された資料を掲載しているわけでございます。今回の中学校教科書採択におきましては、この資料をこれまで以上に各教育委員に参考にしていただいて採択を行ってまいりたいというふうに考えております。
以上です。
○副議長(大西宣也) 5番 白川哲也議員。
◆5番(白川哲也) 東京都のそういう数値化がなされているような資料を使うということを確認させていただきました。
最後に、4年前の教科書採択におきまして、教育委員長が進行役となって自分の意見を述べていなかったということもございました。教育委員長なので、できればやはり進行役に努めることに終始するのではなく、なぜこういう採択になったのかということをぜひとも意見をはっきり述べていただきたいと考えますが、教育委員長、この点についてはいかがでしょうか。
○副議長(大西宣也) 教育長 坂本修一君。
〔教育長坂本修一登壇〕
◎教育長(坂本修一) 私からお答えさせていただきますが、4年前の中学校の教科書採択においては、当時の教育委員長は教育委員会を進行する議長役として議事を円滑に進行することに専念して、特に意見を述べておりませんでした。しかし、昨年の小学校の教科書採択には、委員長も含めて各教育委員が意見を述べることが必要であるというふうな認識に立ちまして、教育委員長も意見を述べて採択を行っているところでございます。
以上です。
○副議長(大西宣也) 5番 白川哲也議員。
◆5番(白川哲也) 今、教育長からその経緯はお話しいただいたので、教育委員長にその所感をいただいて終わりたいと思います。教育委員長、よろしくお願いします。
○副議長(大西宣也) 教育委員長 佐藤昇君。
〔教育委員長佐藤昇登壇〕
◎教育委員長(佐藤昇) 全体を通してということか、委員長が意見を言うのかというところがちょっと今質問の理解に努めているところですけれども、これは町田市の子どもたちにどういう教科書が一番いいかということを教育委員会の責任において採択するわけでありますので、私、委員長としましては、やはり客観的にそれぞれの教科書のよしあしを見きわめた上で、教育委員会は5人の教育委員の合議制ということでありますので、それぞれの教育委員の意見をもって採択に加わっていくということであろうと思います。
委員長は進行役でありますけれども、ただいま申しましたように5人の教育委員の1人でもありますので、進行役と同時に、教育委員の1人としての合議に加わるという責任がありますので、昨年もそうでしたけれども、私もほかの教育委員と一緒に私自身の意見も言わせていただいて、その上で採択をしていくということを進めてきましたので、ことしもそのようにやっていきたいというふうに思っております。
○副議長(大西宣也) 5番 白川哲也議員。
◆5番(白川哲也) ありがとうございました。さまざまな点、いろいろ改善されていることを確認できました。ここまで教科書採択の流れや取り組みについて確認してまいりました。判断する上で客観性が保たれ、適切な教科書採択が行えることをお願いいたしまして、一般質問を終了したいと思います。